和歌山県・かつらぎ町の自然豊かなロケーションに本店を構える『Orange』は、関西地方を中心に多くのアウトドアファンに愛される有名店だ。今回の古河への出店が、記念すべき関東初出店となる。しかしなぜ、容易に集客が期待できる東京都内や大型ショッピングモールではなく『The Camp FREAK’S STORE』というロケーションなのか?
同業者として、そして人間として共感
その経緯について『Orange』の池田社長は、「戦略的に決めたことではない」と話す。きっかけはFREAK’S STOREの社長、鹿島との出会い。池田社長は以前からFREAK’S STOREが好きだったことに加え、アウトドア、音楽、釣り、車、サーフィンなど、鹿島との共通の趣味が多くあったこともあり、同業者として、そして人間として共感できたことが最大の理由だったそう。
「人がたくさん来る都市だからっていう理由で関東に出店を決めたわけじゃないんです。鹿島社長と共感できたのは、“僕らはモノ売りじゃなくスタイル売りなんだ”っていう姿勢です。古河であれ、人口16,000人しかいない和歌山の田舎であれ、ワクワクする体験や共感できるものがあれば人は来る。だからこの古河のカリスマショップでOrangeをやることに意味があるんですよね。」その言葉を裏付けるように、オープン初日には『Orange』の出店を聞きつけた多くの人たちが集まり、開店前から長蛇の列となった。
何も買わずとも、帰るときには楽しかった、この店ヤバいなと思ってもらえたら
Orangeの特徴について「僕らは、棚に並べたものを売る事だけに情熱を捧げるという商売はしたくないんです。それよりサービスや体験のためにお客さんが“わざわざ”来る場所でありたい。同じものを量販店で買うのとOrangeで買うのとでは、意味合いや嬉しさが違う、と感じてもらえる店作りをしたいんですよね。それがセレクトショップというものでしょう?
例えば、和歌山で僕のキャンピングカーのコレクションを店の前に置いているのもそうです。欲しいけど簡単には買えないものが、Orangeに行けば見られるとか、こんなでっかいフライパン誰が使うねん?っていう面白い商品があるとか、そういうワクワク感を感じてもらえることがめちゃめちゃ嬉しいんですよ。だから何も買わずとも、帰るときには楽しかった、この店ヤバいなと思ってもらえたら本望です」と話す。
来店者の店内での体験が一番大切
さらに商品の陳列方法も、流行っているかどうかという単純な理由で整然と商品を並べるようなことはしないそう。売れているものでも、探さないと見つからないくらい隠れた場所にある、なんてことも。流行に踊らされないそんな宝探しのような感覚も、アウトドアファンにはグッと来るのかもしれない。
『Orange』が面白いと思う提案や、来店者の店内での体験を一番大切にしているという池田社長。「僕らの好きなことを発信しているだけなので、もしかしたら時代が変わればまた違うかもしれないけど、機会がある以上挑戦したいです。そして喜んでもらうために何ができるかというのは、常に意識していたいですね。」