
- 呂布カルマ 大学生の頃、唯一遊んでいた親友に「変なラッパーがいる」と教えてもらった。初めは、柄シャツとオールバックに吊り上がった眉、という見た目が特徴的すぎて、面白がってバカにしていた。が、この曲を聴いて震えた。シンプルな言葉なのに印象深いフレーズ。あと不穏な空気。ロックに憧れたはずが、まさかヒップホップで日本語詞の格好良さに気付くとは。その後は彼の曲やフリースタイルのラップバトルをYoutubeで調べて観まくった。この曲とラッパーを知った日、「ひたすらに蒼かったあの夏が冷えた」。
- Foals 「踊れるロック」と言われる曲。そんなものを俺は心から嫌悪していた。安い四つ打ちに安いキャッチコピーを乗せるのはやめてくれ、最悪や、なんて思っていた。そんなときにfoalsのこの曲に出会った。踊れる。これか、と思った。心臓の底から静かに奮い立つような高揚感と、煽りに煽ってあざといくらいに爆音を鳴らすサビ。その下でずっと刻まれ続けるビートに、身体を揺らさずにはいられない。プリミティブな音やフレーズが、動物としての本能を掻き立てるのかも知れない。友人たちとライブに行ったときは、後ろで静かに観るつもりが気づけば最前にいた。ただただ楽しかった。
- BUMP OF CHICKEN BUMP OF CHICKENは俺のヒーローで、小学6年生の頃からもうずっと好きでいる。ギターもベースもコピーしまくった。「ダイヤモンド」はシンプルでストレートなロックに乗せて信念について歌った曲で、恥ずかしいくらいに誠実で無骨。でもだからこそ、捻くれた10代の自分にまっすぐ刺さったのだと思う。毎日この曲を聴いて、自分にとって大切なものは何かと問い続けた。今でもずっと問い続けている。自分の信念を見失わないように。
- Atoms For Peace 最初はRadioheadのThom YorkeとRed Hot Chili PeppersのFleaが一緒にやるというので飛びついて聴きだした。Thomは割とそのままだが、Fleaのスラップは鳴りを潜めていて驚いた。繰り返しループしながら徐々に移ろうビートに、リズムに溺れる心地よさを覚えた。大学に通い出すも居場所がなんか無かった俺は、この曲をイヤホンで爆音で流しながらひとり浮浪し、やがて大学にすら行かなくなり見知らぬ街を徘徊した。どこで聴いてもいい音楽は心を癒してくれた。w.o.d.のベース、Kenも一緒に来日ライブを観に行ったことがあるが、あのハチャメチャなFleaがほぼ動かずに弾いていた。演奏はもちろん良かった。客席にはThom Yorkeのコスプレみたいな人が沢山いたので笑った。
- Nirvana Nirvanaにどハマりして俺の人生は完全に狂った。爆音でグランジを聴きあさり、近所迷惑どころじゃない音量でギターをかき鳴らすようになった(ごめんなさい)。終いにはこの曲のカバーをして「俺を犯してくれ、友よ(和訳)」なんてライブで叫ぶ始末。何がどうなってんねん。それもこれも、Kurt Cobainの叫びのせい。怒りも、悩みも、苦しみも、自己嫌悪も、諦めも、絶望も全部、彼が音に乗せて叫べば、俺にとっては特別なものになった。彼のようになりたいと思うわけではないけれど、俺の叫びや歌が誰かにとって特別なものになればいいなと思う。
熱狂した曲、ということで選んだせいか、文章も幾分アツくなってしまいました。お恥ずかしい。 初めは、「熱中」でなく「熱狂」なので難しいなあと思っていましたが、よくよく思い出してみると、日々いろんな音楽に熱狂させられていました。音楽を聴いている間は日常の憂鬱を忘れ、自分が最強な気分になったりしました。 挙げた5曲は、そんな数多ある音楽の中の一部です。また、w.o.d.が作る音楽の一部にもなっています。 w.o.d.の作る音楽が誰かを熱狂させて、なにかその人の考えや生き方に影響を与えられたら、あるいは癒しを与えられたら、凄いことだなと思います。

